ファブリー病と学校

[ 2022年05月17日 ]
疼痛、疲労、スティグマ形成、およびケアの組織化は、ファブリー病に罹患した子どもの就学期間中に最もよく遭遇する障害である。
著者: 編集チームより

FSIG専門家会議の議題の中でも、学校で子どもたちが遭遇する問題は複数のワークショップで繰り返し取り上げられた議題です。米国では、学校でのケアは州および学校によって異なります。もうご存じかと思いますが、フランスでは、子どもは個別受け入れ計画表(PAI)が利用できます。

最初に取り上げられたポイントの1つは疼痛で、いつでも、つまり授業中でも起こりえます。疼痛は強い灼けるような痛みとして表れ、特に手足にみられます。FSIG会議で証言した複数の人が、若年期にこういった疼痛が周りからは疑いの目で見られていたと言っています。子どもへの理解を示し、あらかじめ作成されている場合にはPAIの指示に従って疼痛のケアを行うことが重要です。

 

よく起こる疲労も、就学時間は調整できることが多いので、PAIに記載しておくといいでしょう。無汗症または低汗症、暑さへの耐性や体力の低下、あるいは疲労のため、スポーツ活動の調整が必要になることもあります。

 

複数の証言者が、就学期間中によく起こったスティグマ形成と、新学期が始まるときの不安について触れました。患者さんは自分の子どもも同じ悩みを抱えていることに気づきます。患者団体はこのスティグマ形成と闘うために活動し、ファブリー病に対応した学校環境に関する情報の集約を推進しています。

最後に、子どもが点滴による酵素補充療法で治療している場合、どのようにケアしていくかといった問題も生じます。子どもがこの治療を利用している発言者は、自宅で点滴投与ができるようになって生活の質が向上したと話しました。

 

2022 FSIG Expert Fabry Conference – 2022年4月8日 - 10日 - フィラデルフィア