ファブリー病:女性たちの経歴

[ 2022年05月17日 ]
長年主張されてきたことに反して、女性にもファブリー病の臨床症状がみられる。今回のFSIG(Fabry Support & Information Group)会議では、その特殊な経歴を話してもらうことができた
著者: 編集チームより

長年主張されてきたことに反して、女性にもファブリー病の臨床症状がみられます。今回のFSIGFabry Support & Information Group)会議では、女性ならではの経歴を話してもらうことができました。

 

ファブリー病はX連鎖性の遺伝性疾患です。ファブリー病は長年、男性特有と考えられていて、女性は遺伝子異常の「保因者」であり、ファブリー病の遺伝子を伝達することはあっても、女性が発症することはないと考えられていました。FSIGFabry Support & Information Group)会議の参加者の中には、そのせいで、子どもの1人が診断を受けたとき、罪悪感が大きくなったという人もいました。現在は、女性は遺伝子をもつだけではなく、症状を示すこともあるということが分かっています。会議期間中、情報交換の時間「Fabulous Fabry Female」が設けられ、因子伝達のリスク、子どもの疾患の症状、自身の病状の変化など、ファブリー病が家族へ及ぼす影響についての情報が必要であると強調されました。現在、出生前診断と着床前診断ができるようになりましたが、様々な倫理上の問題が提起されています。遺伝カウンセリングと専門機関でのケアの重要性が強調されました。

様々な証言で、生涯を通じての心理的なサポートの必要性と患者団体の役割に触れられました。患者団体は必要なサポートを提供しますが、患者さんの情報、および一般の人や諸機関にファブリー病を知ってもらうことにも大きく貢献しています。

 

2022 FSIG Expert Fabry Conference – 2022年4月8日 - 10日 - フィラデルフィア